題材が題材なだけあって長い沈黙していた絶体絶命都市シリーズ。待望の新作として「絶体絶命都市4+Plus」がPS4にてやっと発売されました!
一応、スピンオフ的な作品の「巨影都市」を発売当初にプレイして、あまりの完成度と内容に愕然としたのを覚えてるの訳なのですが・・・。
今回は、正式なナンバリングとしてやっとこさ発売されたのでそれなりの期待度でプレイしましたが、個人的には思ったよりは悪くはなかった印象でした。
絶体絶命都市シリーズ「らしさ」はちゃんとあるが・・・
絶体絶命都市シリーズといえば、震災や災害で起きる出来事を中心に物語が展開していく訳ですが、この辺りのシリーズのらしさは巨影都市と比べても全然良くはなってました。(巨影都市はSF・モンスターパニックものという違いもありますが)
ゲームの冒頭から地震の影響で、周囲の建物がバタバタと倒れていく感じは素直に「おぉ!?」した部分はあります。その後の震災の影響でパニック・意気消沈している人たちの姿とかも表現も印象的で良かったです。
ただ、色々プレイしていくと、やっぱり現在の最新機種で発売したのにも関わらず、PS4スペックを遺憾なく発揮した感じとは言えないかなと。
選択肢による結果にもっと力を入れて欲しかった
シリーズの醍醐味でもある、豊富な選択肢とアクの強い登場人物とのやり取りは今作でもあるのですが、複数の選択肢があるにも関わらず、あまりその選択肢による重要性を感じなかったって印象。
選択肢によってはもっと細かなフラグの積み重ねと結果があっても良いなと。迎える結末の種類もそこまで豊富じゃない感じでボリューム不足な所を感じました。
一癖ある登場人物も今作にはいるのですが、せっかくならもっとその辺りの掘り下げた部分の結末を迎える内容が欲しかった。
後半部分になると、絶体絶命都市シリーズならではのトンデモ展開が待っていたりはするのですが、もっと飛び抜けたルートが沢山あっても良かったですね。
細かな部分が「一昔前」のゲームに感じる・・・
細かな部分を見ても、何か一昔前のゲームをやってる印象が強かったですね。
まずは、グラフィック部分が単純に粗く感じる。
元々、グラフィックがもの凄く良いゲームシリーズではなかった印象なんですが、PS4で発売した割にはう~ん...って感じがします。
単純に今現在のゲームのグラフィックが向上しすぎて綺麗なのが当たり前になって、それに馴れてしまってる理由もあるんでしょうが、それでもやっぱり何か悪い方で古さを感じるグラフィックなんですよね。
システム面や、ゲーム性が良ければゲームのグラフィックは気にもならなくなるものですが、システム面も何か今ひとつな部分も多かったので、なお気になってしまった部分です。
操作性もお世辞にも良いと言えないし、キャラクタークリエイト的な要素も本当におまけ程度だったりと、シンプルにシリーズとしてもっと進化した部分が正直見たかったのが本音ですね。
ゲーム性よりも「災害時の防災マニュアル」の力の入れ方に目が行った
個人的に気になったのが豊富で本格的な防災マニュアル説明。
つい最近で言えば、北海道胆振東部地震の影響で北海道全域が停電した「ブラックアウト」なるものを私も経験し、普段の地震に対する意識の低さを実感したばかりです。
本編の少しおふざけが効いた内容とは対象的に、防災マニュアル内の説明文はかなり本格的なもので、それに対する対策や備えなどがしっかりと書かれている事に驚き。
「二次災害が及ぼす危険」「避難時の生活」「被災前の予備知識」など、読んでても実際に地震を経験した時に(自分でもちゃんと行動できてたかなぁ・・・)と思う部分が結構ありました。
ゲーム=エンタメ的な部分だけでみたらイマイチなところもあったのですが、地震・災害がもたらす恐怖の意識付けとしては個人的は良かったです。
特に「阪神・淡路大震災」時の神戸市消防隊員さんの手記なんかは、最後まで真剣に読んでしまいましたね。
震災は誰にでも起こる事と「再確認」
ゲームから話が外れてしまいますが、ここ日本に住んでいる限り地震とは切っても切れない関係だと思ってます。
北海道胆振東部地震の際、自分は大した被害も無く済みましたが、友人の住んでた地域がいわゆる液状化現象で、間近で家が傾き沈んでるのを見に行って愕然としたのは覚えてます。
それでもあの地震が起きた後も、揺れてないのにまだ揺れてると錯覚してしまう症状の「地震酔い」や、電気や電波が使えなくなる状況による外部からの情報を得られない環境で不安な毎日を過ごしていました。
ただ今現在で、大きな地震による影響をそこまで受けてない自分は、本当にただ運が良いだけなんだと思うようになりました。
知識と情報だけではなく、普段からちゃんと行動して・備えと意識する事の重要性を再確認しました。そういった意味でも個人的には今作の絶体絶命都市4をプレイできて良かったなと思います。
地震による被害を経験した人には、何かしら感じる部分がある作品にはなったんじゃないかなと思います。
・【内容】★★☆☆☆ (全体的なボリュームは少なさ。細かいシステム周り粗さと過去作に比べて新鮮味に欠ける。) ・【時間】★☆☆☆☆ (早くて10時間以内で楽々クリア) ・【難易度】★☆☆☆☆ (難しいアクションは要求されない) ・【次回作への期待度】★★☆☆☆ (VRなど試みなどもあって、次回作があったらまた取り入れて欲しい。あと選択肢の結末や結果をもっと欲しい。) ・【総合】★★★☆☆ (エンタメ作品として楽しむにはどこか惜しいが、震災の被害などへの表現は評価したい。)
おまけ
個人的におすすめしたい、災害を題材とした作品。
映画「サバイバルファミリー」
震災ではないのですが、自分は全くこの映画と似たような状況の電気が使えなくなるとどうなるの?といった状況に少しばかりなったので共感する部分がありました。純粋に映画としても楽しいのでオススメ。
マンガ「サバイバル」
作者「さいとう・たかを」さんといえば「ゴルゴ13」が間違いなく有名だと思いますが、自分は「サバイバル」の方が圧倒的に好きです。絵などは古さなどを感じる部分はあるかもしれませんが、それでも圧倒的に内容が素晴らしいのでオススメです。
映画・小説「日本沈没」
個人的には圧倒的に旧作である「日本沈没」がオススメ。これまた古い映画ですが小さい時に見てから妙に記憶に残ってる作品で、フィクションとはいえ、どこか生々しい恐ろしさがずっとあります。
所詮はエンタメなどと言わずに、色んな作品を見て触れて災害などに対する意識を高めてみてはどうでしょうか?